2007年07月06日

第六夜 神戸ビエンナーレ2007


画像:「神戸ビエンナーレ2007」シンボルマーク

ビエンナーレというのは2年ごとにという意味です。「鼻炎になーれ???」という語呂で覚えている人もいます。
普通ビエンナーレというと現代アートの祭典を意味することが多いようです。3年ごとならトリエンナーレといいます。芸術展は企画に時間がかかりますし、お金も調達しないといけません。2年か3年ごとでないとなかなか開催が難しいところがあります。
ちなみに毎年やる場合はアニュアルといいます。新開地アートビレッジセンターでやっている現代アート展は「アートアニュアル」と言っています。

ビエンナーレはベネチアやサンパウロが有名です。しかし近年アジアの国々がビエンナーレを開催しています。アジア最大の光州ビエンナーレは大きな国家プロジェクトですし、1996年からの上海ビエンナーレに加えて、2006年にはシンガポールビエンナーレが開催されています。
日本でも福岡アジアトリエンナーレ、横浜トリエンナーレ、越後妻有アートトリエンナーレなどが良く知られています。

ビエンナーレ、現代アートといっても、恐れることはありません。要は芸術発表の場です。洋画や彫刻もかつては現代アートだったのです。
現代アートの作品は分かりにくいものが多いと思いますし、事実、自分に分かりにくいものはやはり多くの人にもチンプンカンプンなようです。「なんじゃこりゃ」と思うものは、やはり多くの人にも「なんじゃこりゃ」なのです。

でもその「なんじゃこりゃ」を制作する作家たちは、話してみるとなかなか面白い人が多いです。
自分の作品のここをわかってほしい
自分はこんな気持ちでこれをつくっている・・・などなど。
作家たちは理解しようとする気持ちをもっていると感じる人にはとても雄弁です。ましてや作品や作家の感性と共鳴するような感覚の人に出会ったら、これ以上幸せなことはないといった感じで、話してくれます。

 今年、神戸でもビエンナーレが開催されます。「港」「出合い」「多様性」「街からの発信」「いろんなもの」などが要素になっているように思います。
 メイン会場は港町神戸の象徴的な場所「メリケンパーク」です。表現の舞台はコンテナ・・・港から港へ「もの」「情報」「気持ち」を運び、物語を作ってきた「箱」です。モノを運ぶのにもっとも合理的に作られた、いわば規格品で個性のない「箱」をアーティストの発想の妙で個性的で多様な芸術空間に変えようという試みです。なかなかのアイデアだと思います。

 神戸ビエンナーレを通じて多くの奇想天外に出会うことで、「なんじゃこりゃ」が「なるほど」「こんなやり方があるのか」に変わり、さらには日常のなかで「自分なりの工夫」や「自分流の楽しみ方」に発展していくことになると日々の生活に奥行きがでてくるでしょうし、アートに接することの面白さや大切さが一層実感されると思います。ましてや、会場で出会ったアーティストと人間的な付き合いなどに発展していくことがあれば、人生はより一層味のあるものになると思います。
 
 10月6日から11月25日までの51日間、メリケンパークを中心にしながらも、街全体を会場にして大道芸、音楽、ファッション、ロボットメディア、スィーツデザインなど様々な創造的表現(アート)が展開されます(会場はそれぞれ確認してください)。
 この多様さは神戸らしさの象徴でもあると思います。
 是非、日頃なじみがあまりないアートの最前線を体験してください。
 好奇心と馴れ馴れしさがあれば面白い経験になると思います。

詳細はこちらhttp://www.kobe-biennale.jp/まで
  


Posted by alterna at 17:49Comments(0)