2007年08月10日

第十一夜 その男・・ジョージ



元町の路地裏にDEEPというBARがありました。
閉めて2年くらいになります。
不思議な魅力のバーでした。

まずアプローチがどこにあるのかよくわからない。ショップカードの地図からはなかなか行き着くことは難しいと思います。隠れ家的な味を狙ったということですが、誰もわからなかったら営業はどうすんの?とも当時は思いました。
路地裏の暗がりに無言で闇と同化したような感じの入り口がありました。初めて行った者には、入り口に足を踏み入れてからがまた不安。どこに続いているのかわからないような暗くて細い工事現場のような所をいくと横手にドアがあり、そこを開けると桃色の霧に包まれたような店内がありました。
 グランジロックのBGMが流れるカウンターの向こうでシェーカーを振るバーテンダーこそ・・・その男・ジョージ。
ジョージといっても日本人です。なぜジョージなのかは聞いたと思いますが、忘れました・・・大事なことを忘れてこそ酔っ払いです。

 BARの楽しみ方「元町スタイル」とでもいう感覚があると思っています。
 若い女の子が1人でもくるのです。元町のおしゃれなBARではそんなシーンをよく見かけます。そしてその場で仲良くなったりします。
 
 いけばなの吉田泰巳先生は元町をこよなく愛する酔っ払いの1人です。先生にはいろいろな店を教えてもらいましたが、その中でもDEEPは雰囲気が抜群によいBARでした。残念ながら、震災の影響もあって雨漏りがひどくなり、建物が使用できなくなったようです(写真で紹介している煙が立ちのぼる拳銃のハガキは2005年1月の「DEEP FINAL PARTY」のときのものです)。



ジョージはDEEPの閉鎖後、英国を小旅行してパブの雰囲気を吸収し、現在は南京町の路地で「Ringo」というお店を開いています。よもすがら若い子達で賑わっています。(Ringoのことはまたの機会に!)

 なお、DEEPの経営者は小川さんという方ですが、現在もトア・ウエストの一角で「3D」という隠れ家的なBARを経営されています。こちらも不思議なBARです。一時は病院で使われる点滴用の袋が天井から一杯ぶら下がっていました。
落ち着いた雰囲気なので、カップルで静かに話すのにピッタシですよ。

















写真:DEEPのあった路地裏の暗がり 




P.S
これもいけばなの吉田先生から聞いたことですが、DEEPや3Dには「いちご白書をもう一度」などのヒット曲があるバンバンのばんばひろふみさんがときどき来ていたようです。運がよければ3Dで逢えるかも・・  


Posted by alterna at 10:38Comments(2)