2007年10月12日

第二十夜 「彼の休息 」

「彼の休息 ・・the world goes round」



神戸のモダニズムを代表するものに洋画とモダニズム詩があると聞きました。神戸を代表する洋画家といえば小磯良平画伯は屈指です。小磯先生の友人には神戸モダニズムの代表的な詩人のひとり竹中郁先生がおられます。竹中先生は多くの校歌も作詞されています。

現在も神戸で活躍されている洋画家石阪春生先生は小磯先生のお弟子さんであり、竹中先生の甥っ子さんでもあります。竹中先生は「絵描きなどという道楽なことはお前には向かん」と石阪先生に言われていたようですが、石阪先生に言わせると「叔父さん自体にしてさんざん道楽な人やった」ということです。僕に言わせると、両方道楽ということでいいのと違いますか・・・ということになります。

 神戸市立小磯良平記念美術館は小磯作品を多く所蔵しています。
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/57/koiso_museum/
 1927年(昭和2年)。小磯先生の東京美術学校(現:東京芸術大学)卒業制作は「彼の休息」という作品です。サッカースタイルの若い男性がハンカチを片手に、表情を緩めて西洋椅子にもたれかかり一服している構図ですが、そのモデルは竹中郁先生です。当時としては最先端のハイカラさが漂っています。作品は東京美術学校で最高得点をとり、小磯先生は首席で卒業されています。


写真:彼の休息


写真の彼も休息しています。
彼の首にぶら下がっている黒いものはウサギちゃんの耳です。
ふところから顔を出しているのは遠い親戚の叔父さんかもしれません???
写真ではカットされていますが、下半身にはところどころほつれた網タイツがはまっていましたし、シッポもちゃんとありました。
 このバニーちゃんは、レストランBAR「RINGO」を支えるチーママ?・・・関(かん)君です。

Ringo2周年のパーティが今年の春にライブハウス「バリット」でありましたが、舞台の演奏よりも酔っ払ったバニーちゃんの乱舞の方が目立っていました。世の中のためにも、この際空気銃で駆除しとこかなとも思ったりしましたが・・・。
(本人の名誉のために言っておきますが、関君は普段は人当たりの柔らかいフツーの人です)

 Ringoは以前「その男・・ジョージ」で紹介した「DEEP」のジョージ君の店です。名はやはりビートルズのリンゴ・スターからでしょうね。
ジョージの第1印象は、時代劇の最初の頃に登場してきて、いきなり辻斬りに遭って、水しぶきとともに堀に消えていくイナセな遊び人風・・・・といった感じですが、隠れフアンは多いと思います。


写真:右 BAR ringo案内ハガキ/左 BAR ringoの入口

シースルーの店内にはジョージの感性がインスタレーション(空間造形)されています。
仮に表通りに手ごろな店舗候補があったとしても、ジョージは裏路地を選んでのではないかと思っています。おそらく三宮の繁華街の真ん中も選ばなかったと思います。
 場末感のある路地裏の暗がりによって逆に生かされる感覚があり、その怪しさとクールさが好奇心をくすぐって、ゆっくりと人の流れができることを知っているのではないかなと思います。場末の店・・・いけばなの吉田先生が言われる「スエ」た店・・・クールさはこういう店から生まれるような気がします。

 「神戸で一番まずいランチを食べに来た」と言って入っても「おぉーっと!!?」と言いながら快く相手をしてくれるお店です。
 時にはLPレコードで懐かしいロックンロールなどがかかったり、朝方の5時頃まで開いていますので帰れなくなったら時間もつぶせます。

 お店は南京町の西門から一筋南の路地にあります。
お店の前にあるスーツケースを模した四角い看板が迎えてくれます。
最初の頃に紹介したBAR CUBEの元メンバー、「鶴のひとこえ」の鶴田君、再三登場する元町のMr酔っ払いこと、いけばなの吉田先生などなど、このブログに登場する主要(?)なメンバーも出没します。
  


Posted by alterna at 16:23Comments(3)