2008年05月29日

第三十九夜

第三十九夜 ジャズ喫茶 『木馬 MOKUBA’S TAVERN』 
~神戸ジャズCITY(4)~


時代にろ過されずに残った空気がそのまま保存されたような雰囲気のジャズ喫茶があります。

第三十九夜
写真:木馬の看板

木馬・・mokuba’s tavern・・このお店を知ったのはほんの4~5年前ですが、お店自体は相当古くからされているようで、半世紀くらいは経っていると伺いました。神戸に長く居た人に聞くとご存知の方が多く、その意味で神戸をイメージするお店と言えると思います。
現在はトアロードに面した中二階にありますが、僕が初めて行った頃はトアロードのひとつ西の筋にあって、半地下でした(さらにその前のお店の場所は知りません)。アプローチにはブルーの電飾が静かに光っていたように記憶していますが、その向こうの暗がりを抜けるとほっとする空間があるような予感がしたのを覚えています。
前のお店は、コーヒー一杯、バーボン一杯飲むためだけに銀河系の一番落ち着いた場所にはるばる行こうと言うような気になる場所、とでも表現すればいいのでしょうか。何かしら行ってみたくなる蠢惑的な魅力を感じました。お店には太いケーブルなどを巻くために造られた木製のドラムがテーブル代わりに使われていました。調度類は古いタイプライターやレジスターがさりげなくおいてありました。

第三十九夜
写真:照明を抑え気味のカウンター


とにかくお店に入って席に着くと、鮮度を保った古い時間の一部に溶け込むようで、とても落ち着いたのを覚えています。少し照度を落とした照明など光の使い方にマスター独特の感性があるのだと思います。ほとんど白黒の濃淡で構成された世界のなかに、所々にセンスよく色彩が使われている絵画のような演出です。

第三十九夜
写真:お店に来た有名人のサイン


現在はトアロードに面した場所に移られていますが、壁にはハーフリー・ボガードの映画のポスターが存在感を示していますし、前の店にもあった古いレジスターもちゃんと鎮座しています。
何十年も前の時間が、無限に同じ歩みを繰り返して錆びることなくそこにあるような不思議な魅力はそのままです。お店の空間そのものがアート(インスタレーション)です。それと、ある人から聞いたことですが、マスターの写真はプロ級ということです。


第三十九夜
写真:ハーフリーボガードのポスターとジャズのジャケット


落ち着いた空間にジャズのリズム・・・コーヒーもいいですが、僕はバナナジュースをお勧めします。

ホームページはこちらです。
http://www.mokuba-kobe.com/





Posted by alterna at 13:00│Comments(0)
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