2007年06月22日

□楠公さん・・非理法権天

お店や場所に「さん」をつけて呼ぶのは一般的なんでしょうか?
 コープさん、生田さん、楠公さん・・・などなど、神戸ではよく「さん」をつけるように思います。六甲山も「山」ではなく六甲「さん」なのかもしれません。
 正確に呼ぶよりも親しみが込められていて、やわらかい感じがします。
 
 楠公さん・・・湊川神社のことですが、楠正成公を祀っています。
 湊川神社と楠正成公のことについては、神戸新聞の夕刊(火曜日)で連載されている一坂太郎さんの記述をとても興味深く読みました。
 
 ところで、湊川神社の拝殿(一番奥の拝むところ)の天井絵をご覧になったことがありますか?
 特に天井真ん中に据えられた龍の絵は迫力満点です。神戸ゆかりの日本画家福田眉仙先生の作です。眉仙・・中国は四川省にある急峻な名山「峨眉山」に住む「仙人」という意味だと聞いたことがあります。
 湊川神社が天井絵の制作を東京在住の有名な日本画家に頼みにいったところ、「眉仙がおるではないか」と紹介されたことがきっかけになったらしいですが、本当でしょうか?
 この眉仙画伯・・なかなか気骨のある人だったらしく、制作風景を撮影に来た新聞社のカメラマンが何気に作品を跨いだことに怒って、カメラを叩き落としました。後日そのカメラマンには「すまんことをした」と言って、一幅の絵を置いていったとか・・・。

 いけばなの吉田泰巳先生に伺ったことですが、龍は中国では指を5本、朝鮮半島では4本、日本では3本で表現されることが多いようです。
よく見ると楠公さんの龍は3本の指で珠をしっかりとつかんで中空を睨んでいます。
まだの方は一度ご覧になってください。


□楠公さん・・非理法権天   

 なお、楠公さんは美術品の宝庫です。
版画家棟方志巧の大作が結構あります。
それと神社の境内にはりっぱな狛犬が5対鎮座しています。表神門をくぐって進むと鳥居の前に石彫(大正5年)のものが、社務所前の階段を上がると備前焼のもの、拝殿前に山崎朝雲作の金属製のもの、拝殿内に左右に配置された絵画が棟方志功作、そして拝殿奥にある木彫のものが平櫛(ひらぐし)田中(でんちゅう)の作と伺いました。見事5対捜せるでしょうか?
また、東京から移築された由緒ある能楽殿の松の絵は、見る人によっては「狸」が一匹見えるようです。僕には狸は笑っているように見えました・・・・。

□楠公さん・・非理法権天 


Posted by alterna at 21:16│Comments(0)
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