2007年12月07日

第二十八夜「幻のジュラルミン街-エピローグ-」




現代アーティスト宮崎みよしさんからFAXで詩集の1ページが届きました。
詩人の谷川俊太郎さんの詩集「十八歳」で、そのなかの「神戸から」(1950.4.10)という詩です。   
『ひとつのこぢんまりした近代が
         ひとつのきれいな港をもち
         最新流行のボビィソクサァを生産しています
         (幸福のスタイルが流行する風景)

         夏冬透明なソォダ水を飲み
         ジュラルミンを着こんで
         山の中腹の赤屋根の家に住む人達に
         僕は思わず哲学書を投げつけてしまいました
         
         これをジェラシィと思われなければ幸いです
         何故なら僕こそほんとに幸福なんですから』

ボビィソクサァは短い靴下(をはいている人)のことで、転じて可愛らしいお嬢さん、はつらつとした女学生の意味に使われていたようです。ソォダ水は当時、布引で作られていた炭酸水のことで、ジュラルミンは元町のジュラルミン街のことではないかなと思います。山の中腹の赤屋根は異人館でしょうね。
若い詩人の目にもジュラルミン街はインパクトがあったのかもしれませんね。
  


Posted by alterna at 10:41Comments(0)